技術コラムCOLUMN
電気・電流を制御・管理する抵抗材料とは?
金属は外部の影響を受けやすい反面、抵抗材料を使うことで正確な機能を保つことが可能です。
一般家庭にある計りや体重計、電化製品などにも、抵抗材料は用いられています。
電流を検出することで、電気・電子回路を正確に作動することが出来るのです。
こちらでは、抵抗材料の種類、主に合金系抵抗材料についてご紹介いたします。
●抵抗材料の種類は?
抵抗材料には下記のようなものがあります。
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1 金属系抵抗材料
●単体金属抵抗材料
- 白金
- タングステン
- モリブデン
- ニッケル
など
●合金系抵抗材量
- Cu-Ni合金(コンスタンタン等)
- Cu-Mn-Ni合金(マンガニン等)
- Ni-Cr合金(ニクロム等)
- Ni-Cr-Fe合金(クロメル等)
- Ni-Mn合金(アルメル等)
- Fe-Cr-Al合金(カンタル合金等)
など
●金属皮膜
- ガラスやセラミックスなどの絶縁体の表面に数μm程度の金属皮膜を付着させたもの
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2 非鉄金属抵抗材料(炭素抵抗材料)
●セラミックス系抵抗材料
●樹脂系抵抗体
●粉末抵抗体
●薄膜状抵抗体
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3 炭化物系抵抗材料
- シリコンカーバイドなど
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4 酸化物系抵抗材料
- ジルコニアなど
上記のような抵抗材料は、用途に合わせて大別すると下記に分けることが可能です。
①電気・電子回路に流れる電流を制御する。
②電気エネルギーを熱エネルギーへ変換する。
尚、抵抗材料は材料だけで電気抵抗が変わるわけではありません。
温度や素材自体の体積、断面積などによっても変化します。
製品を設計する際は抵抗材の種類、断面積等が重要になります。
●合金系抵抗材料とは?
~金属は組成によって抵抗率、特性が変わる~
合金系抵抗材料の代表的なものは、銅系、ニッケル系、鉄系をベースにしたものがあります。
それぞれの代表的な材料の特徴を説明します。
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1 銅系
●Cu-Ni合金
この合金系はニッケルの含有量により抵抗を制御しております。
一般的なCN49(Ni 43% Cu 55%)の組成は抵抗率が高く、温度係数が小さいという特徴があります。
特にこの組み合わせは熱起電力が大きいので銅と組み合わせて熱電対として使用されています。●単体金属抵抗材料
一般的にマンガニンと呼ばれています。
常温付近の抵抗温度係数がゼロに近く、銅に対する熱起電力も小さいので標準抵抗器用の材料として使用されています。
他にNiの代わりにSnを添加した低抵抗の材料もあります。 -
2 ニッケル系
●Ni-Cr合金
ニッケルをベースとし、他にクロムを添加して耐熱性、耐食性を高めています。
高抵抗の精密制御用や薄膜材料などの制御用途と電気炉や電熱器などの発熱抵抗体して使用されています。
代表とされる鋼種にニクロムと呼ばれる電熱用材料があり、使用温度は最高1100℃程度まで使用出来るものもあります。
また、クロムの含有量の違いで第1種、第2種があります。
クロム含有量の高い第1種は耐熱性、耐酸化性に優れています。 -
3 鉄系
●Fe-Ni合金
鉄を主体とし、ニッケルの含有量により、抵抗率が変わります。
ニッケル20~30%含有されているものは抵抗率が最大になります。●Fe-Cr-Al合金
Ni-Cr合金より体積抵抗率が高くなり、ニクロムと同じく電熱用途や制御用に使用されます。
耐熱性に優れていますが高温で窒素ガスを吸収して脆くなりやすい欠点もあります。
この合金系はカンタル合金と呼ばれています。
●抵抗材料も株式会社光栄にお任せ
抵抗材料の種類や用途についてご紹介いたしました。
上記の内容から、私たち人間は電気をうまく操り、生活に組み込んでいることが解ります。
特に車載、医療機器など最先端技術が必要となる製品では電気の制御を行い、あらゆる問題解決に役立てられています。
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